宮沢賢治の散文詩に「台川」という作品があります。
「これから又ここへ一返帰って十一時には向ふの宿へつかなけらばいけないんだ。「何処さ行ぐのす。」 さうだ、釜淵まで行くといふのを知らないものもあるんだな。
(中略)
苔がきれいにはえてゐる。実に円く柔らかに水がこの瀑のところを削ったもんだ。」
ここで描かれている釜淵というのは、当館の近くにある釜淵の滝のことです。この滝の名前をいただき当館の特別室「釜淵」と名を付けました。
釜淵の部屋には、宮沢賢治作品を中心に書棚のコーナーがあります。
静かに本をめくるたび、賢治が紡いだ自然の情景を楽しめます。特に目に見えないもの、光や風などの描写は想像を掻き立てられます。
日常を少し離れて、本と温泉に包まれる時間を満喫できる客室、それが釜淵です。ぜひお立ち寄りください。